光の話 Lighttale for Art and Culture

ロイ・フラー

(Loie Fuller, 1862-1928)
19世紀のダンサー。電球が普及しだし、舞台装置としても照明が用いられだした時代に、その舞台照明の効果を最大限引き出すべく大きな布をうねらせて舞う「サーペンタイン・ダンス」を創案した。暗闇の舞台上、多方向から照射される照明の中で身体が隠れるほどの布を動かし、その流動的な光の美しさで熱狂的な人気と多方面への影響を与えた。フラーが活躍した19世紀末からその後30年代まで、電気エネルギーは女性性と結びついていた。神々しく非肉体的であり清らかなものとして、電気供給のアレゴリーはヴィーナスのような女神として描かれていたのだ。フラーの光を纏って踊るダンスは、まさにその象徴的なものであった。光が元々持っていた神聖性に加え、未来のエネルギーへの希望がフラーの絶大な人気を助長したと言える。

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