水銀に関する水俣条約
水銀および水銀を使用した製品の製造と輸出入を規制する国際条約。日本の熊本県水俣市で起きた公害病である水俣病にちなんで命名されている。2013年に熊本県で開催された国連環境計画の外交会議において採択され、50カ国が締結してから90日後に発行される。2016年2月の時点では署名国は127か国及び欧州連合、締結国は23か国である。日本は2013年の採択日に署名し、2016年2月に受諾している。
水俣条約では水銀鉱山の開発の禁止や発電所からの水銀の排出制限を定めるほか、電池や化粧品、血圧計など水銀を含む製品の製造・輸出・輸入を、2020年以降禁止することがその内容であり、水銀を含む製品には一部の照明器具も含まれる。
該当する照明器具は以下のとおりである。
- 発光管当たりの水銀含有量が五ミリグラムを超える三十ワット以下の一般的な照明用のコンパクト蛍光ランプ(CFLs)
- 次のものに該当する一般的な照明用の直管蛍光ランプ(LFLs)
- 電球当たりの水銀含有量が五ミリグラムを超える六十ワット未満の三波長形蛍光体を使用したもの
- 電球当たりの水銀含有量が十ミリグラムを超える四十ワット以下のハロリン酸系蛍光体を使用したもの
- 一般的な照明用の高圧水銀蒸気ランプ(HPMV)
- 次のものに該当する電子ディスプレイ用の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)及び外部電極蛍光ランプ(EEFL)
- 電球当たりの水銀含有量が三・五ミリグラムを超え、及び長さが五百ミリメートル以下のもの
- 電球当たりの水銀含有量が五ミリグラムを超え、及び長さが五百ミリメートル超千五百ミリメートル以下のもの
- 電球当たりの水銀含有量が十三ミリグラムを超え、及び長さが千五百ミリメートル超のもの
※一部特殊用途のものは除外
ただし、一般照明用の高圧水銀ランプを除けば、現在市販されている蛍光灯やHIDランプはすでに水銀含有の基準をクリアしており、この規制を受けることはない。一般照明用の高圧水銀ランプは2020年12月31日以降、製造・輸出・輸入が禁止となる。
参考
水銀に関する水俣条約の概要|環境省(2016.09.06 アクセス)
http://www.env.go.jp/chemi/tmms/convention.html
「水銀に関する水俣条約」の受諾書の寄託 | 外務省(2016.09.06 アクセス)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ge/page24_000572.html
水銀に関する水俣条約 - Wikipedia(2016.09.06 アクセス)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E9%8A%80%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B0%B4%E4%BF%A3%E6%9D%A1%E7%B4%84
「水銀に関する水俣条約」の国内担保状況について (PDF)|JLMA 一般社団法人日本照明工業会(2016.09.06 アクセス)
http://www.jlma.or.jp/kankyo/suigin/docs/suiginMinamatajouyaku_kokunai160318.pdf
水銀に関する水俣条約について|岩崎電気(2016.09.06 アクセス)
http://www.iwasaki.co.jp/NEWS/info/2014/mercury.html
水俣病 - Wikipedia(2016.09.06 アクセス)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E4%BF%A3%E7%97%85
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