オイルランプ
人類が最初に手にした照明であるたいまつは、炎の支持体(灯芯)と燃やすもの(燃料)を1つの物質でまかなう構造であった。それに対し、灯芯と燃料を分離した灯りがオイルランプである。初期のオイルランプは石の容器に獣脂の燃料を入れそこに植物の灯芯を浸した作りをしており、ラスコー壁画もこの手のランプの明かりの下で描かれている。
獣脂のランプは煤が出たり悪臭があったりと今から見れば問題は多いが、古代社会においては主要な灯りとして、ツボの素材や形状を工夫しながらギリシアやローマなど世界各地で使われていた。
3000年ほど前から植物性油が燃料に使われるようになるものの、何万年もの間ほどんど改良されずに使用されてきたオイルランプであるが、16世紀ごろから改良が相次ぐ。燃料と灯芯の距離を離したり、オイルが自動供給されるようにしたり、酸素の供給方法を工夫し燃焼効率や明るさや上げるような発明がなされた。中でも、ガラス製のホヤの中にランプを入れるという発明は、今日の照明器具にも応用されている画期的なアイデアだったといえる。
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