光の話 Lighttale for Art and Culture

照明の寿命

ランプの寿命は種類によって様々である。一般的には白熱電球は1,000h、蛍光灯6,000h、メタルハライドランプは9,000h〜16,000h、高圧ナトリウムランプは24,000hとされている。LEDランプは40,000hを超えている。

ただしランプによって寿命が変化する条件があり、使用の状況によって寿命が縮んだり、逆に伸びる場合などがある。

明るさ、消費電力、寿命などすべての特性が電圧に依存している白熱電球やハロゲンランプは、電圧を下げることで光束が落ちる代わりに寿命が延びる。例えば電圧を5%下げれば、光の出力は20%低下するが、寿命は約2倍になる。100w、1,700lm、寿命1,000hの電球の電圧を半分にすると、明るさは15w相当の160lmとなるが寿命は理論上7,000年を超えることになる。調光が可能な設備であれば、少し出力を落とすだけで大幅な寿命の改善を期待できる。ただし白熱電球、ハロゲンランプは振動には弱く、高架下の物件など振動のある場所では寿命が短くなる。

蛍光灯は電源を入れる際に大きな電圧がかかりランプに負担がかかるため、頻繁に電源を入切する環境では寿命が短くなる。家庭のトイレや洗面所などの照明に蛍光灯を用いるのは適切ではないということだ。蛍光灯はこの特製のため、計測時には一定時間で電源を入切しながら行われる。

対してLEDは電源の入切に強く、むしろ容易に制御できるため舞台やクラブなどの演出に重宝されている。ただしLEDは熱に弱く、製品によっては高温の環境や長時間の点灯で寿命が短くなる。電球型のLEDに多数のギザギザとした溝があるのは、LEDを熱から守る放熱のための措置である。

照明器具の寿命

照明が点灯しなくなる場合、ランプではなく器具が寿命を迎える場合もある。白熱電球の場合、器具は通電させているだけの単純な仕組みであり、接触不良や配線の断線による故障がありえる他はこれといった寿命はない。

蛍光灯やHIDランプは、点灯に必要な高い電圧を生み出すための安定器が劣化することで不点灯となる場合がある。安定器の寿命はランプよりも長いが、定期的に交換が必要である。

LEDは点灯のために必要な駆動回路内にあるコンデンザーなどが故障することで寿命を迎えてしまう。一般的に駆動回路はLEDランプと一体化しており交換ができないため、LED自体がいくら長寿命でも、現状では回路の方がその寿命を縮めている。LEDは今後駆動回路や部品が改良されることでより寿命が安定することだろう。

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